mado_bouhan

母が入院して病院の方へ通う日々の私は、同じマンションの上の方の階に住む父の部屋には、最近全然顔を出していない。父はまだ体は健康だし、母がいない分お世話もないし、のんびり過ごしてくれていると思っているからだ。でもやっぱり母もおらず私も来ないので寂しいのか、今日は朝から電話をしてきた。「防犯フィルムを買ったんだけど、自分で取り付けられるのかな?」という。防犯フィルムとはなんのことかわからず、すぐに父の部屋に行ってみた。なんと窓ガラスに貼るフィルム状の防犯グッズのことだった。暇つぶしのホームセンターで見つけ、買ってきたらしい。

説明書きを読んでみると、小さな文字で、かなり施工方法も難しそうだ。素人でも扱いやすいよう工夫はされているとしても、まず老眼で新聞すら読めなくなってきた父にはこの説明書きを読むこと自体無理だろう。フィルムは窓のかたちにカットして貼る必要があるが、手先が震える父にハサミやカッターの使用も難しい。最初からできっこないのにこんなものを買ってきて、私の手間を増やすだけじゃないかと私は憤慨した。

そもそもここはマンションの11階。泥棒がどうやってここまで上がって、窓ガラスを破って侵入するというのだろうか。私が住んでいる2階ならまだ窓からの侵入もあり得ると思うが、17階建の11階なんて、わざわざ窓を目指して昇ってくる命知らずの泥棒も居ないだろう。

最近はオレオレ詐欺とか、強盗に老夫婦が殺されるというような痛ましい事件のニュースも多く聞く。住まいる防犯110番によると十分に老人と言える父が自衛の意識を持つのは良いことだけど、あまりマスコミの情報に脅かされて何がなんでも対策しようというのは違っていると思う。説明書きを詳しく読んでみると、結露対策やUVカット効果もあるというから、そういう意味なら貼ってもいいが、それなら最初から、お金をかけて窓ガラスの交換をした方が、私も楽だし効果的なのではないかと思う。